サトイモの栽培は容易で無農薬有機農業に向いている.保存がきき,自家採種も可能である.そして何しろおいしい.山で植わっているヤマイモに対して里に植えるのでこの名前がついた.熱帯アジア起源のサトイモ属(Colocasia)のほかに熱帯アメリカを原産地とするクサントソマ属(Xanthosoma)がある.これらを総称してタロイモという.
原産地は熱帯アジアで,わが国へは有史以前に伝わり,万葉集にも記載されている古い作物である(農林水産省農業研究センターHP).ジャガイモやサツマイモが伝来するまでは主要な食用イモであった(石井ほか,1999).
栄養繁殖作物で種イモ(塊茎)を植えて栽培する.種イモから発生する主茎(親芋)とそれに生じる肥大分枝(子芋,孫芋)を形成するが,親芋を利用する品種(2倍体)と子芋を利用する品種(3倍体)がある.高温?多湿に適し,土壌の適応性は比較的広い.耐湿性は強いが,乾燥には弱く,連作を嫌う. |